宮崎県五ヶ瀬町・高千穂町から日之影町、そして延岡市の平野部へと一気に流れ込む五ヶ瀬川。熊本県や大分県にもまたがるこの流域は、台風による水害や土砂災害が絶えない地域です。地形が険しく、上下流で川との付き合い方が大きく異なるため、上下流の合意形成が大きな課題となっています。
中学生を起点とした社会実装モデル
五ヶ瀬川流域では、2023年より宮崎大学 入江先生が起点になり、新たなアプローチを開始しました。国土交通省や地元のステークホルダーへの丁寧なヒアリングを重ね、地域の課題やニーズを抽出。地元中学校の「総合的な学習の時間」をハブとして、教育と治水、そして地域振興を統合した活動を展開しています。
1. 対話の素地づくりと学びの連鎖(出前授業・流域ツアー)
中学校での出前授業を入り口に、1年間の継続的なプログラムを実施しています。
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大学生による伴走: 中学生が親しみやすく、主体的に学べるワークショップを大学生が企画・運営。世代の近い「先輩」が介在することで、学びの質を高めています。
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「共創の場」としての流域ツアー: 実際に現地を訪れるツアーでは、地元の民間企業とも連携。異なる立場の人々と直接触れ合うことで、教科書を超えた「生きた流域」を体感し、校内では劇やロールプレイなど深い対話が生まれています。
2. 次世代からの「提言」を媒体とした合意形成
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上下流の立場に立って実施する「模擬流域協議会」と、そこで生まれた中学生による政策提言は、活動の重要な一つの契機です。 利害関係により硬直化しやすい大人同士の議論の場に、次世代の純粋な視点や提言を「媒体」として投入。世代間の対話を呼び水に、実際の流域協議会における合意形成を後押しし、本質的な流域治水を実現するための土壌を築いています。
流ぷら活動のスタート:2023年~
協働のパートナー
宮崎大学、九州大学、国土交通省九州地方整備局延岡河川国道事務所、宮崎県県土整備部、高千穂町立高千穂中学校、延岡市立北方中学校、五ヶ瀬川水系流域治水協議会NPO法人五ヶ瀬川流域ネットワーク、河川・竹林にかかわる地元企業
支援
(公財)前田記念工学振興財団の令和7年度研究助成(地域工学分野)


(公財)前田記念工学振興財団さまより取材いただき、レポートにしていただきました!
報道・記事等
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前田記念工学振興財団、「ワークショップレポートvol.1」2025年12月1日
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宮崎大学「マンスリーTopic ミニ水族館」2025年10月31日
(https://youtu.be/QulraP1vqYY?si=AbLGs-BgCoiOEe4g)
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夕刊デイリー新聞、「中学生採取の「水族館展示」」、2025年10月7日
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九州河川協力団体連結会議「かわとも:かわのワークショップグランプリ」2025年5月30日
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夕刊デイリー新聞、「模擬流域治水協議会」、2024年12月13日
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宮崎日日新聞、「模擬流域治水協議会」、2024年11月24日
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夕刊デイリー新聞、「ミニ水族館」、2024年10月1日
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夕刊デイリー新聞、「流域ツアー」、2023年12月18日
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(株)宮崎放送、「「畳堤」など五ヶ瀬川流域の治水施設を中学生が見学」、2023年12月17日(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mrt/899018?display=1)
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夕刊デイリー新聞、「五ヶ瀬川水系 国県、市町 被害軽減策を検討」、2023年3月29日
五ヶ瀬川流域の活動メンバー

入江 光輝
宮崎大学工学部
土木環境工学プログラム
教授

川崎 典子
宮崎大学工学教育研究部
工学基礎教育センター担当 准教授

村瀬 敦宣
宮崎大学農学部
海洋生物環境学科
准教授

竹下 伸一
宮崎大学農学部
森林緑地環境科学科
准教授

光田 靖
宮崎大学農学部
森林緑地環境科学科
教授

糠澤 桂
宮崎大学工学部
工学科土木環境工学
プログラム 准教授

佐藤 辰郎
九州大学大学院工学研究院 附属アジア防災研究センター 准教授

竹下 一路
国土交通省 九州地方整備局 延岡河川国道事務所
流域治水課








