富山県を流れる神通川では、治水インフラの整備により幸いにもここ30年、大規模な水害が発生していません。しかし、近年の気候変動による災害リスクは確実に増大しています。この「平穏な日常」のなかで流域の未来をじぶんごとと捉え、治水や地域のあり方として共有・対話する「動機」が希薄な状態にありました。
日常の場を舞台とした間口を広げていくモデル
神通川流域では、2020年RISTEX(JST)「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」採択を機に、、科学者が研究知見を生かし流域での市民、行政、科学者といったあらゆるステークホルダーの価値観を反映しながら治水(洪水被害を防ぐ)に有効な運用ルールを構築するために、地域のあらゆる主体と対話を重ねることで、流域治水の必要性と関係性を醸成しながら、関心の間口を広げています。
1. キーマンへのヒアリングと「対話の必要性」の共有
まずは流域に関わる多様なセクターのキーマンへ徹底したヒアリングを行い、個々の課題感を具体化することからスタートしました。
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関係性の構築と動機づけ: プロジェクトメンバーと共に、なぜ今、流域治水について話し合う必要があるのかを丁寧に伝達。単なる知識共有ではなく、それぞれの専門領域と治水との接点を明らかにすることで、主体的に考えるワークショップの継続開催へと繋げました。
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セクターを超えた課題認識の共有: 医療や農業といった異なる視点を持つ人々が集まり、共通の危機意識を持つことで、実効性のある運用ルールの構築に向けた土台を築いています。
2. 日常の場を舞台とした「双方向型シンポジウム」の展開
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流域治水をきっかけに「流域での未来の暮らし」への関心の間口を広げるため、駅ナカやショッピングモールなど、市民が日常的に集う場を活用した情報発信を行っています。従来の「聞くだけ」の講演会ではなく、親子で参加できるワークショップや、自ら知恵を出す双方向の機会を設計。これを機に、高校の探求学習への展開や、出展者側としての市民参画など、参加の在り方にもポジティブな変容が起きています。
流ぷら活動のスタート:2020年~
協働のパートナー
東京大学、中央大学、富山県立大学、岐阜大学、富山県、富山市河川課、ほか
報道・記事等
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北日本新聞、「神通川治水へ総力結集 自治体・企業・住民がワークショップ」2021年12月20日
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北日本新聞、「神通川氾濫を想定 「流域治水」を検討 富山でワークショップ」2021年11月24日
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北陸中日新聞、「神通川の水害対策 地域住民らが議論 鵜坂公民館」2021年10月26日







